そはかへつてこの上もなき諷刺的滑稽ふうしてきこっけいの材料を提供するが故に、一変して最も詭弁的きべんてきなる興味の中心となりぬ。然れども茶番は要するに茶番たるに過ぎず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)