親爺の頭の上に、誠者天之道也まことはてんのみちなりと云う額が麗々と掛けてある。先代の旧藩主に書いてもらったとか云って、親爺は尤も珍重している。代助はこの額が甚だきらいである。第一字がいやだ。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)