船首樓フオクスル)” の例文
何事でも起り得る、又何事も起り得ない夜、意志のやうな又運命のやうな夜、その夜が永久に自分を取りまくのだなと思ふと彼れはすくみ上つて船首樓フオクスルに凝立したまゝ、時の經つのも忘れてゐた。
潮霧 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)