船長おやかた)” の例文
漬物と冷飯だけのひどい夕飯を情なくたべながら、「脱走」ときめた。二日経った夜、高松の港につくと豹一は船員たちと一緒に女を買いに行くのだと船長おやかたに五円借りた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
焼け出された様な火夫の服のまゝではいくら何でも帰れないと、家を飛び出す時に着ていた着物を新聞紙に包み、何喰ぬ顔で船から降りようとすると船長おやかたが怪しんでそいつは何だ。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
しかし、荒くれ者の船長おやかたが彼の哀れな腕を嗤っただけあって、船の仕事は辛かった。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)