それだから建築家になったら、私も門前市をなすだろうと思いました。丁度ちょうどそれは高等学校時分の事で、親友に米山保三郎よねやまやすさぶろうという人があって、この人は夭折ようせつしましたが、この人が私に説諭せつゆしました。
無題 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)