秘裏ひり)” の例文
この問題の秘裏ひりに立ち入って、それをなぞと考えてみるだけでも、郎党たる身にとっては、主家への反逆のように思えて、そらおそろしいことだったにはちがいない。
従来、徳川家の特色として来た独味の兵制軍法が、石川数正の離脱によって、その秘裏ひり機密きみつが、つつ抜けに、大坂方へ読み取られてしまうことは、必然としなければならない。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)