“的矢(まとや)” の例文
風呂敷をひろげ、地理付図(ちりふず)を取りだした。八重はその日三重県の地理を習ったのである。ふと目に入った的矢(まとや)という地名に名状しがたいほどの感激で夢中になった。
暦 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
船乗りであった甚作が伊勢の的矢(まとや)の港でコレラにかかって死んだ時、かやは二十六であった。病気が病気であったため、乗組の連中は甚作の髪の毛さえも持って帰ってはくれなかった。
暦 (新字新仮名) / 壺井栄(著)