白狐龕びやくこがん)” の例文
此お夏は今、狹い白狐龕びやくこがんの中にペタリと坐つて、ポカンとした顏を入口に向けて居たのだ。餘程早くから目を覺まして居たのであらう。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼には父もあり母もある、また家もある。にも不拘、常に此新山堂下の白狐龕びやくこがんを無賃の宿として居るといふ事も亦、自分の聞き知つて居る處である。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)