この郷の長であると共に、この郷の神殿の祭司である、白河戸将監しらかわどしょうげんの一人娘の、小枝さえだというのがこの乙女であったが、そう云うと侍女達を従えて、曠野の方へ漫歩をつづけた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)