江戸にある知人で覚束ない生活をしてゐたものと察せられる。第四の銅脈先生は世の知る所の畠中観斎はたなかくわんさいに非ざることは論をたない。観斎ははやく享和元年に歿したからである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)