琴柱窓ことじまど)” の例文
風すかしに細く開いた琴柱窓ことじまどの一つから、森を離れて、松の樹の姿のいい、赤土山の峰が見えて、色が秋の日に白いのに、向越むこうごしの山の根に、きらきらと一面の姿見の光るのは、遠い湖の一部である。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)