「いき」の「諦め」は爛熟頽廃らんじゅくたいはいの生んだ気分であるかもしれない。またその蔵する体験と批判的知見とは、個人的に獲得したものであるよりは社会的に継承したものである場合が多いかもしれない。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)