沿道は巨大なシヒノキや、オブリカスト、ナギや、カッチヤ松の森で、常緑濶葉樹林くわつえふじゆりんが、枝を組み、葉をくちづけあつて、朝の太陽を欝蒼うつさうとふさいでゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)