三井の僧正公胤そうじょうこういんも懇ろに導師を望んだ。この人は法然に服しなかった人であったが上人誹謗の罪を懺悔し、先きに認めた浄土決疑抄じょうどけつぎしょうという書物を焼いて、法然七七日の仏事の導師となったものである。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)