治郎吉じろきち)” の例文
ふた月も病人を装って辛抱していたこの有馬の湯治場とうじばから、世間の陽あたりへ歩き出せば、すぐにあしのつくというくらいな寸法は、なにも、気がつかずに立った治郎吉じろきちではなかった。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)