長崎奉行永井岩之丞ながいいわのじょうの一行は東から。五月の半ばには、八百人の同勢を引き連れた肥後ひごの家老長岡監物ながおかけんもつの一行が江戸の方から上って来て、いずれも鉄砲持参で、一人ずつ腰弁当でこの街道を通った。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)