それに耳の下からあごへかけて斜に、二寸位の創痕きずあとをありありと見た。おお、松風号に同乗した機関士松井田四郎太まついだしろうた! もう二十年前に、どこかで死んでしまった筈の松井田機関士。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)