有王 康頼殿は東山双林寺ひがしやまそうりんじの山荘にこもって風流に身をやつしていられます。鬼界きかいが島での生活を材料にして宝物集ほうぶつしゅうという物語を世に出されるといううわさでございます。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)