「知恵鑑」は西鶴の「本朝桜陰比事ほんちょうおういんひじ」よりも早く、万治三年に出版された原始探偵小説書である。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その次に出たのが西鶴の「本朝桜陰比事ほんちょうおういんひじ」(元禄二年、一六八九年)で、これは題名を「棠陰比事」になぞらえているが、内容はかならずしも同書からとったものではない。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)