一部の「徳川家康篇」は年少の家康を論じた「徳川家康」、中年の家康を論じた「鬼作左おにさくざ」、老年の家康を論じた「本多佐渡守ほんださどのかみ」の三篇の論文から成り立つてゐる。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これは本多佐渡守ほんださどのかみの著と言われながら、早くより疑問視せられているものである。新井白石あらいはくせきは本多家から頼まれてその考証を書いているが、結論はどうも言葉を濁しているように思われる。