晩香玉ワンシャンユイ)” の例文
晩香玉ワンシャンユイの香の高いひっそりとした暗やみの中で、かすかに「女房や」と云いかけるのと「聞きたくもない。わたしはあんたの女房じゃないよ」
春桃 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
崩れのこった二間の廂房の外には、黄瓜きゅうりの棚と小さい玉蜀黍とうもろこし畑とがあり、窓下には香り高い晩香玉ワンシャンユイが咲いている。劉向高リウシャンカオという、同じ年ぐらいの少しは文字のよめる男が、春桃と同棲している。
春桃 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)