道元は求法ぐほうのために瀕死の師を捨てた明全和尚みょうぜんおしょうを讃美している。その心持ちが彼をして「孝」をもしりぞけしめた。「孝」とは本来親子の間の深い愛である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)