年毎の梅はことしもつつがなく咲きみちている。日々是好日にちにちこれこうじつ、西山荘の無事な門にも、きのう今日、人の足が繁くなった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とにかく、信長なる一箇の気むずかしやをして、こうまで旅の日々を、日々是好日にちにちこれこうじつとして楽しませるなどという手腕も、決して尋常一様な人間のよくなし得る設計ではない。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)