遠く明治七年の河原崎座における「新舞台巌楠しんぶたいいわおのくすのき」の楠正成くすのきまさしげにはじまり、更に明治九年の中村座における「牡丹平家譚ふうきぐさへいけものがたり」の重盛しげもりに至って、いよいよその熱を高めたと伝えられているが
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)