御猶子ごゆうし)” の例文
前若狭守範綱さきのわかさのかみのりつなどのの御猶子ごゆうし、十八公麿どのが望みにまかせ、今宵、得度の式を当院において仕る由を——」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「われらを、ただの僧侶と思うとちがうぞ。これにおわすおん方こそ、六条の三位範綱朝臣さんみのりつなあそん御猶子ごゆうし少納言範宴様。また、自分とてもむかしは、打物とった武家の果てじゃ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「けれど、和子は、そのために、この六条の伯父君の手にそだてられて、御猶子ごゆうしとなられたのです。世のことわざにも、生みの親よりは育ての親という、御養父様の恩は大きい。忘れてはなりませぬぞ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)