宵の町角を雷門かみなりもんの方へ出てゆくと、あとの四ツ目屋も戸をおろして、しとみ障子のうす明りに、「御小間物類おんこまものるい」という字ばかりが往来に残っている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)