なぜならば、こうして思いのほか長びいている間に、すでに、官軍の征討総督軍せいとうそうとくぐんは、東京・大阪・諸師団の優秀な装備をもって、くに南下の途についていたからである。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)