丸子衆まるこしゅうの東条又五郎、米沢大隅守。それに、客臣の板垣修理之助などがいたが——その中でひとり、すずやかな容子ようすを持っていたのは、城主の次男、真田弁次郎幸村べんじろうゆきむらだけだった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)