それは尾上楽之助、嵐吉松郎あらしきちまつろう、実川実太郎など十余人に東京の少年俳優が幾人か加わって、「相馬良門そうまのよしかど」や「壺坂つぼさか」などを上演し、楽之助の沢市なぞは好評であったが、これも長くは続かなかった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)