尋常茶飯じんじょうさはん)” の例文
駒井にあっては尋常茶飯じんじょうさはんの説明も、持たぬ者より見れば、持つ者の知識の影が、大き過ぎるほど大きくうつるのも免れ難い弱点かと思われる。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
マドロスにあっては尋常茶飯じんじょうさはんの労務が、駒井には無くてならぬ依頼——船中の誰よりも、むしろ船の次には、その男が必要と認めないではいられなかったと思われる。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ですから、誰が見ても、表面はあたり前の百姓で、百姓の合間にその早足を利用して、尋常茶飯じんじょうさはんの如く、京鎌倉までも出かけてくる余裕が、近隣の百姓たちをうらやませておりました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
尋常茶飯じんじょうさはんの如く慣れきったるきり手である。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)