此時のわが驚き、いかばかりなりけむ。の馬十が末期に叫びし言の葉を眼の前に思ひ知りて、白日の下、寒毛竦立かんまうしようりつし、心気打ち絶えなむばかりなりしか。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)