お使が二度までは堅く辞退してまいらなかったが、第三度の使に宰相律師実昌さいしょうりっしじっしょうという人が来て、たっての願いで引きたてる様にして頼むから、やがて律師の車に乗ってまいると親王が御対面あって
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)