天子は天稟てんぴんの玉質であらねばならぬ。万民の景仰けいぎょうをあつめるに足るお方であらねばならぬ。宗廟社稷そうびょうしゃしょくを護りかためて揺ぎなき仁徳を兼ね備えておわさねばならぬ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)