失策てぬかり)” の例文
お土産を持つて来なかつた失策てぬかりは、お八重も矢張気がついてゐた。二人の話は、源助さんも親切だが、お吉も亦、気のけぬ親切な人だといふ事に一致した。郷里の事は二人共何にも言はなかつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)