ここにいう青年南郷綾麿なんごうあやまろは、百観音の中のたった一体、幕末の頃江戸伝馬町四丁目に住んでいたという、名仏師天狗長兵衛てんぐちょうべえの彫った観音様にひきずられて、雨の日も風の日も