天一天上てんいちてんじょうのよき日をえらんだのも、橘の思わくの晴ればれしさからだった。もしそれがたとえ不幸に終っても若者らとの話し合いからそうなるものなら、かまわないもののように思われた。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)