そして主上、両院のおん輿こしは、自分らのおもなる者で護りかためる。また女院の輿へは隅田すだ源七、高橋又四郎らをつき従わせ、後陣は壱岐孫四郎いきのまごしろう、安藤太郎左衛門たちの手にゆだねた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)