右衛門大夫秀治うえもんだゆうひではるは、きょう城を出て光秀と会見するため、もう身支度から供揃ともぞろいまでしているのである。何で今さら——といわぬばかりな顔して
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)