原庭はらには)” の例文
原庭はらにはの物持後家で、お紺といふ四十年配の金貸し、これは幸ひ怪我はありませんが、用箪笥ようだんすごと庭に持出されて、有金三十兩ばかり盜られたのを、夢にも知らなかつたと言ふ話
「お松は名題の浮氣者だ。清次と夫婦約束までしたのに、近頃お村と張合つて、原庭はらにはの才三といふ色師に熱くなつて居るからよ。同じやうにお松に氣があつても、清次は百松のやうにあきらめられなかつたんだ」