が、なににしても、そうおいそれと、彼の註文どおりの勤め口が待つているわけもなく、そろそろしびれを切らしはじめたところへ、旧友の南条己未男なんじようきみおがひよつこり訪ねて来た。
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)