本艦の位置も、これまた遺憾いかんながら、語る自由を持たない。ただこういうことだけは言ってもいいだろう。それは毎夜の如く南十字星みなみじゅうじせいが、美しく頭上に輝いている事だ。
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)