それが何時いつの間にやら、恋心に変ったのですが、父親の三也は、そんな事に一向お構いなく、これも五六年前から小田切家に引取ひきとって居る、遠縁の若侍半沢良平はんざわりょうへいと厄年を嫌って
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)