所謂「出雲国造神賀詞イヅモノクニノミヤツコノカムヨゴト」の拙劣な飜訳であるが、——出雲国造新任の後、再度上京して、其度毎に神宝——呪物の神器と、御贄ミニヘの品々を献り、この神賀詞カムヨゴトを唱へて主上を呪し奉る例になつてゐた。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)