しかし「遙知郡斎夜ハルカニシルグンサイノヨ 凍雪封松竹トウセツシヨウチクヲフウズ 時有山僧来トキニサンソウノキタルアリ 懸燈独自宿トウヲカケテドクジシユクス」は宛然たる一幀いつたうの南画である。又「蔵並ぶ裏は燕のかよひ道」もおのづから浮世絵の一枚らしい。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)