二十くらいもあろうかと思う六角の蜂窩ほうかの一つの管に継ぎ足しをしている最中であった。六稜柱形ろくりょうちゅうけいの壁の端をあごでくわえて、ぐるぐる廻って行くと、壁は二ミリメートルくらい長く延びて行った。
小さな出来事 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)