例繰方れいくりかた)” の例文
地つづきに植溜うえだめがあって、ちょうどそこへ通りかかったのは北町奉行所の例繰方れいくりかた、仙波阿古十郎とお手付、ひょろりの松五郎。
顎十郎捕物帳:13 遠島船 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あまりにも緩怠至極かんたいしごくな阿古十郎の態度に庄兵衛は呆れたり腹を立てたりしているが、しかし、そうばかりもしていられないので、北番所の例繰方れいくりかたに空席のあるのを幸い
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
北番所の例繰方れいくりかたで、奉行の下にいて刑律や判例をしらべる役だが、ろくろく出勤もせず、番所から持ち出した例帳や捕物控などを読みちらしたり、うっそりと顎を撫でたりして日をくらしている。
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)