ことに建長寺の場で、彼が宗十郎の佐野源左衛門さのげんざえもんをやりこめて、例の調子で「黙れ、黙れ。だ、だ、だまれ。」と大喝するところが、ぞくぞくするほどに痛快であった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)