このごろ京阪流箱寿司けいはんりゅうはこずしは、上方の何処どこの地方にもはやってはいるが、なれ寿司を基調とする調理に意気のない野暮やぼったさが、即興に生きる江戸ッ子には、とんと迎えられる様子もない。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)