そんな中に、郎党二百人もつれた、久下弥三郎時重くげのやさぶろうときしげなるものがいた。笠じるしに、ただ太く“一”と書いてあるのがめずらしかったので、高氏が
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)