法然が清水寺で説教の時、寺家の大勧進沙弥印蔵だいかんじんしゃみいんぞうという者が、念仏の信仰に入り、滝山寺を道場として、不断常行念仏ふだんじょうぎょうねんぶつをはじめて今に至るまで怠らぬ。これは文治四年のことである。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)